想い出

東京で、桜の開花宣言が出ましたが、今朝は霜が降り薄氷も張りました。

　春は別離の季節ともいわれておりますが、常磐線が9年ぶりに全線開通したニュースを見て、思い出したことがありました。
　約４０年前の話ですが、そのころ亡くなった女房と土浦で半同棲生活をしておりました。

　しかし、家族や周囲の反対があり、結婚は無理だと思い、何時か別離話をきちんとしなければと心の中で考えていました。　そんな冬・・女房の実家にもそのようなことを伝えなければと、二人で東北線の夜行（当時は新幹線はありません）で岩手県の久慈市に向かい、三日ほどのんびりしていました。
　そしてとうとう、ご両親には別れ話は切り出せなく、帰路につきましたが、途中仙台駅で急遽常磐線の鈍行に乗り換えて、人のまばらな電車内でゆっくり、結婚に踏み切れない言い訳を私から話し始めました。
　女房は、黙って聞いていましたが、だんだん福島県から茨城県水戸市・石岡と進んでゆくうちに乗客も増え始め、思うように話が出来なくなり・・とうとう私は、本当の気持ちを女房に小さな声で告白してしまいました。
　「結婚　しよう！」　別れ話が、事実上のプロポーズになってしまいました。

　それまで、確か６年近くお付き合いをしてきて、一度も涙など見せたことのない女房が、その時　人目もはばからず・・ラッキョウのような大粒の涙を流したのを、今でもよく覚えています。

その女房も、亡くなってすでに１３年も過ぎ、寂しさにも慣れたと人には言いますが、時々体調が悪い夜は、無性に心細く夜が長く感じます・・・

今日は、そんな訳で　午後から映画「fukusima 50 」を見てこようと考えています。