無法松の一生

　昨日、満92歳の父が静かに旅立ちました。

　ここに　生前多くの方から賜りましたご厚誼に対し、亡き父に成り代わりまして厚く御礼申し上げます。
　朝方でしたので、家族や私の兄弟も全員間に合いました。

　正直、こんなに長生きするとは思っても居ませんでしたが、16ぐらいで下館の呉服屋に丁稚奉公に出され、母親が病弱の上　父親は大工職人で、3人兄弟でしたが　子供のころから大変苦労した話を何度も聞かされていました。

　一人で小さな呉服屋を立ち上げ、バブルという大きな波にも乗ることが出来、趣味も若い時分は菊作り、その後は皐月の盆栽つくり、魚釣りも・・なんでも負けず嫌いの凝り性な人でした。　商売も神様のような人で、余り冗談など言う人ではありませんでした。

　唄がうまく、浪曲や民謡も達者で、十八番は「無法松の一生」でしたが、カラオケが流行り出してからは、ほとんど唄うことがありませんでした。

　私が子供の頃、村田英雄や二葉百合子や北島三郎が私の家に来たことを、今でもよく覚えています。

　そんな親父も晩年　私が議員になってからは、商売以外で頭を下げることが多くなり、たぶん内心　私のことをかなり心配していたんだろうな～・・

　そんな親父に、日頃も病院でも、優しい言葉の一つもかけてやることが出来ず、ダメな倅でした。　昨夜は親父とのいろんな思い出に浸かりながら・・
　
　こういうのを、悔いが残ると言いうんですかね・・　　　　合掌